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第7回 ほぼ週刊同人ゲーム体験レビュー「彼女と彼女と私の七日」

 
彼女と彼女と私の七日 連載第7回目の今回は「彼女と彼女と私の七日」をご紹介します。本格百合ゲーです。無料でありながら、制作陣の高い技術と情熱が作り出した逸品です。美しい世界と濃厚な百合の世界を楽しんでみてください。この作品が2ちゃんねるの掲示板で集まったメンバーによって作られたというのも驚きです。
必要スペック等詳細は「Lilies Project」様にてご確認下さい。 本作品は性描写を含みます。未成年の閲覧を固くお断りします。
!? 杏奈様と万里乃ちゃんによる目隠しプレイである ▲!? 杏奈様と万里乃ちゃんによる目隠しプレイである
【制作者インタビュー】(今回は400さんがご回答下さいました) ■「彼女と彼女と私の七日」の制作について Q:「彼女と彼女と私の七日」作成のきっかけを教えてください。 400さん:制作を始めた当時、私は某エロゲ会社でグラフィッカーをやっていました。2DCGチームの一つでリーダーを任せてもらってまして、複数ラインのうちの一本を受け持つ立場でした。 立場的には色々と自由にできるはずなんですが、これがスケジュールやらなにやらの問題で、実際の自由度はものすごく低い(これについては各メーカーで差があるでしょうし、私のいた会社でも企画によって差がありましたので、あくまで「当時は」の注釈つきです)。 やりたいCGワークが全然できず、かなりフラストレーションが溜まっていました。そこで「趣味で自分のやりたいCGをやるんだ!」と半ばヤケになって、常駐していた2ちゃんねるのスレッドで企画を立てました。これがスタートです。 Q:制作期間はどのくらいでしたか。また、制作に際して大切にされたことはありますか。 400さん:スレッドに企画立ち上げの書き込みをしたのが2008/05/10でした(手元にログが残っています)。完成が2011/03/11ですので、制作期間はほぼぴったり2年と10ヶ月です。 大切にしていたことは、縛りを極力設けないこと、でしょうか。有志の集まりでしたので、各人が楽しみながら自分の力をのびのびと発揮できるようにと。一応私はディレクターでしたが、スタッフへの指示はほとんど無かったと思います。 制作終盤に「どうしてもここはこうしたい」という部分で少々要望を出した程度です。アイキャッチを含めた動画演出などは出来上がったものを見るまで作っていることすら知りませんでしたし、BGM数もまったく指定していなかったのに気づいたら増えまくっていました。 スタッフ全員「良い物にしたい」という気持ちをはっきりと持っていて、それがうまく調和して出来上がったのが今作だと考えています。 Q:制作の中で、最も克服しなくてはいけない点はどのような点でしたか。また、それをいかに克服しましたか。 400さん:匿名掲示板での企画でしたので、スタッフがいなくなって制作が頓挫する事態だけは避けたいと思っていました。結果的には無事に完成に漕ぎ着けられましたが、ここが克服できたかというと微妙なところです。私の手柄ではないと言うか。 実は今作では制作期間中に二回スタッフ抜けが起こっています。一回目は超初期のことです。まだアイデア出しくらいの段階でしたが、ライターが抜けました。ここで「もう一回ライターが居なくなったら制作続ける精神力持たないな」と思いまして、このときに自分でプロットからシナリオまで全部やることにしました。 二回目に抜けたのはスクリプタです。これは当時システムグラフィックで参加していた現スクリプタがスクリプトに精通していたので、そちらにお願いすることでカバーできました。  今残っているスタッフは自分でWebサイトを持っていて、ゲームを出したりCDを出したりしている人間だけです。加えて匿名掲示板の募集だったにもかかわらず、参加表明当初からスタッフに自らサイトを晒してくれた人です(ちなみに当時私は自分の素性を明かしていませんでした)。 そうやってあえて要らないリスクをかぶってくれた人だけが最後まで着いてきてくれたんですよね。結局途中で頓挫しなかったのは、私が何かしたからということではなく、各人が責任感を持って制作にあたってくれたからなんだと思います。 Q:影響を受けた作品や好きな作品を教えてください(制作に直接関係のない作品でも結構です)。 400さん:多すぎてよくわかりません(笑)ただ、今いろいろと思い返して、アリスソフトさんの「アトラク=ナクア」が無かったらエロゲ業界に入っていなかったかもしれないなぁ、なんて考えています。そしたら今作の制作も無かったでしょうね。
折原絢子 ▲主人公の折原絢子。学園の七不思議調査中に他人の秘め事を偶然見てしまう 青戸雅青戸雅。幽霊のような謎の存在。趣味がノゾキの独自の価値観を持ちすぎな存在 石待小牧 ▲杏奈様と小牧ちゃん。杏奈様はこうやって毎夜毎夜お楽しみになる
■「彼女と彼女と私の七日」の内容について Q:ユーザーの皆様に楽しんでもらいたい点はありますか。 400さん:ノベルゲームは(特に抜きゲー以外の同人界隈だとより顕著な感がありますが)シナリオ重視でグラフィックは次点、BGMやシステムを見るのはさらにあと、みたいな観点でプレイされる方が多いような印象があります。今作はBGMやシステム周りなどにも気を配って作ってありますので、全部まとめて楽しんでいただけたらと思います。 Q:お気に入りのシーンはありますか?よろしければ理由も教えてください。 400さん:絢子と皐の会話がお気に入りです。理由についてはノーコメントで。 Q:システム周りの遊び心が面白いですね。おみくじとかツイート機能とか。実装することになったきっかけなどを教えて下さい。また、実装できなかったけど、実はこんな事考えていましたとかもありましたら教えてください。 400さん:システム周りの遊びについてはよく知りません。私の考えた仕様じゃなくて。気づいたら実装されていました(笑)おもしろいからそのまま行っちゃえー!と。 実装できなかったけど~というのは、グラフィック作業に入った初期は立ち絵とイベントCGのアニメーションを検討していました(AEアニメ)。ですが、ただでさえ原画とグラフィッカーが同一人物という時点で人が足りていないのに、アニメーションまで考えたら死ぬな、ということでやめに。アニメ自体は動画スタッフがやるよーと言ってくれたんですが、ちょっと無理でした。 他にもスタッフ各人でCG増やしたいとかBGM増やしたいとかミニゲーム追加したいとか願望はあったんですが、締め切りの無いフリーゲームでやりたいだけやっていたら終わらせどころがなくなりますし、今回くらいが妥当だったんじゃないかと思ってます。 ■次回作、今後のサークル活動について Q:次回作など開発中の作品がありましたら、教えてください。 400さん:開発中のものはありません。ただ、今作のスタッフは個人サークルでも活動していますので、そちらでの開発物はあるみたいです(私はありませんが…)。 Q:制作において最も大事なものはなんだと思いますか。 400さん:これはスタンスで変わってくると思います。仕事でやるなら利益が大事でしょうし、プロを目指す姿勢でやるなら話題性や技術の向上なども考えなければならないのかもしれません。 私が今回やった制作は完全に趣味でしたので、これに関して言えば娯楽と捉えることが一番大事だったのではないかと考えています。楽しめない趣味なんて趣味じゃないですし、それならやめてしまったほうがいいというのが持論です。 Q:最近注目されている同人ゲームなどありましたら、教えてください。 400さん:「戦国の黒百合」。ふたなりで百合とか俺得すぎてもう。抜きゲーっぽくないのもいいですね。まだプレイできてないんですがorz Q:このレビューをご覧の皆様に一言おねがいします。 400さん:「彼女と彼女と私の七日 -Seven days with the Ghost- 」。既プレイの方はありがとうございます。見プレイの方はサイトだけでもぜひご覧になってください。きっと損はさせません!よろしくお願いいたします!
網城杏奈 ▲網城杏奈様。知勇兼備の美貌の生徒会長にして、レズ。なぜ敬称つきなのかは作品を遊ぶとよくわかる 杏奈様にこんな顔をされてもアキバOSが万里乃派なのは揺らがない ▲杏奈様にこんな顔をされてもアキバOSが万里乃派なのは揺らがない ファティエット ▲杏奈様とファティエット。魔族も杏奈様にかかれば容易いものである。それにしても、この杏奈様ノリノリである
【体験版レビュー】 8時間くらいの作品です。面白かったです。制作を始めた発端からユニークで、制作者インタビューを読むと偶然集まった3人が切磋琢磨して作品を作った事がよくわかります。なかなかないケースだと思います。 さて、作品についてですが、シナリオ展開がとてもいいですね。物語は最初の課題だったオカルト部の存続から主人公絢子さんの内面の葛藤に展開し、その葛藤を乗り越えて行く姿を描いています。この葛藤が結構根深く、絢子さんがオカルト部存続に必死になる理由でもあり、物語の根幹をなします。だからこそ、その葛藤を乗り越えていく過程に読み手は惹かれていくのだと思います。 ここがいいですね。おそらく読み手は彼女がどうするのか、続きが気になると思います。一気に読まれる方もいるかもしれません。そして最後に大団円を迎え、筆者はすごく満足しました。ああ、よかったよかったと思ったのです。胸が一杯になる心地よさといいますか、とても満足しました。この満足感こそが、ノベルゲームの素晴らしさなのだと思います。 これは筆者の考えなのですが、皆様がノベルゲームを遊ぶようになったのは予想を上回る素晴らしい物語に出会った経験があるからではないかと思います。軽い気持ちで遊び始めたら、物語に圧倒され、登場人物の一挙一動から目が離せなくなり、グラフィックと音楽に酔いしれて、最後にはモニターに拍手喝采をしたりした経験があると思います。 また、それらのノベルゲームは往々にしてギャルゲやエロゲでもあります。軽い気持ちで始めたエロゲが実は業界屈指の名作で、それ以来抜け出せなくなった人は多いと思います。そうして、皆様も果てしないエロゲロードを往く事になったのだと思います。 目には見えないけれども確かに存在し、終わりのない道、エロゲロード。振り返れば過去の名作達が一本の道を作り、あなたの足元まで続いている事と思います。そして、今日も誰かがこのエロゲロードを往くのです。 えー、エロゲロードの話はともかく。「彼女と彼女と私の七日」はそういう作品であると思います。誰かの心中に何かを残す作品だと思います。 しかもフリー配信。しかも百合ゲー。この作品が多くの人に触れられる事を願って止みません。
絢子が涙ぐみ話す相手とその内容は? ▲絢子が涙ぐみ話す相手とその内容は? 彼女と彼女と私の図。3人の関係は七日で大きく変わる ▲彼女と彼女と私の図。3人の関係は七日で大きく変わる 屋上で話す万里乃と絢子。二人の話は物語の重要なポイントとなる ▲屋上で話す万里乃と絢子。二人の話は物語の重要なポイントとなる
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